象牙質知覚過敏の治療方法について

象牙質知覚過敏は、歯の象牙質が外部刺激に過敏に反応する状態を指します。これは、歯の表面に存在するエナメル質の薄さや欠損、歯の根の露出などが原因で起こります。
象牙質知覚過敏の治療は、露出した象牙質表面の性状を変化させるか、レジン等で覆うことで知覚過敏を軽減させています。
さまざまな原因から知覚過敏が発症していますが、原因究明することなく症状の軽減のみを目的として治療がおこなわれています。
原因が除去されないことで、歯や歯周組織の二次的な破壊が進行していきます。

特殊な知覚過敏用の歯磨き粉を使用することで、象牙質の表面を強化し、過敏を軽減することができます。これらの歯磨き粉には、象牙質の皮膜を形成して刺激を和らげる成分が含まれています。
歯科医がフッ化物の塗布を行うことで、歯の表面を強化し、知覚過敏を軽減することができます。
露出した象牙質の象牙細管の開口部を塞ぐことで、知覚過敏の症状を軽減させていますが、象牙質が露出してしまった原因や象牙細管が開口してしまった原因の究明や除去が全くなされていません。症状の再発だけでなく、さらなる象牙質の露出、歯周病の悪化が引き起こされます。

歯の欠損部分や象牙質の露出部分を覆うために、セラミックやレジンなどの材料で詰め物を行うことがあります。これにより、刺激が歯の神経に伝わるのを防ぎ、知覚過敏を和らげます。
象牙質表面の性状変化だけでは治らない場合、レジンなどで厚く覆う治療をおこないますが、対策されていない原因による影響が大きいため、その後に発生する問題もより大きなものとなります。
知覚過敏の部位を分厚く覆っているため、知覚過敏の再発は起こりにくいですが、歯周病はより速いスピードで進行していきます。

象牙質知覚過敏は歯ぎしりや食いしばりなどの咬合習慣によって引き起こされることがあります。歯科医が作成した口腔保護具を使用することで、歯を保護し、知覚過敏を軽減することができます。
この場合は、歯ぎしりなどにより発生する外傷力に対しての対策を考慮している点で多少は評価できますが、食物を噛む時に歯に加わる外傷力に対する対策がされていないので、症状の軽減とその後の歯周病の進行について半分の成果しかあげることができません。

重度の象牙質知覚過敏の場合、歯の神経が損傷している可能性があります。この場合、根管治療が必要となることがあります。
原因究明がおこなわれない治療では、知覚過敏を治すことができません。その結果、歯の神経を抜いて知覚を取り除く治療がおこなわれます。
正しい治療をおこなえば、神経を抜くことなく症状を取り除けますが、原因究明せず間違った診断しかできないと神経を抜くことになります。
この歯は、今後噛むと痛いという症状に悩まされた後、歯根が破折して抜歯となります。

正しい診断がなされないまま、知覚過敏の症状を除去するだけの治療では、最終的にその歯は失われてしまいます。

正しい治療方法については、次回に!